よくある質問(FAQ)とは、ユーザーが抱きやすい疑問点や問い合わせを、事前に Q&A 形式でまとめた情報セクションのことです。EC サイトやブログ、サービスサイトを運営するにあたり、お客様から同じ内容の問い合わせが何度も来ることがありますが、それをあらかじめ一覧で整理しておくことで、顧客は簡単に疑問を解消することができます。
FAQ セクションを導入するメリットとしては、顧客自身がすぐに答えを見つけられることによるストレスの軽減、サポート担当者の負荷軽減、検索エンジン最適化(SEO)への寄与など、多岐にわたります。特に、よくある質問(FAQ)を充実させることで販売機会の損失を減らすことができるため、売上アップにもつながります。
サポート担当者の負担を軽減
よくある質問をまとめることで、重複する問い合わせが減り、サポート対応コストの削減が期待できます。
顧客満足度の向上
迅速に回答を得られるため、顧客のストレスが軽減され、購入意欲を高めることができます。
ページ離脱率の抑制
ストア上で分からない点が出ても、FAQページやFAQセクションで解決できれば、顧客の離脱を防ぎやすくなります。
SEO効果
FAQページには検索エンジンが高く評価する「よくある質問と回答」の構造化データ(スキーママークアップ)を活用できる場合があり、検索結果に直接 Q&A が表示されるなどの恩恵を受けられます。
顧客体験の向上
ノーコードでデザインや表示場所をカスタマイズできるアプリも多く、ストア全体のビジュアルと合わせることで、統一感のある顧客体験を提供できます。
ここからは、Shopify App Store で入手可能な代表的な FAQ アプリ 20選を紹介します。各アプリの特徴・機能、価格設定をまとめましたので、導入時の参考にしてください。
月額$4.99。無料体験あり。ノーコードで見た目をカスタマイズできる、シンプルな FAQ アプリ。
以下が、Shopify公式のアプリストアになります。
月額$4.99。オンラインストア2.0対応で、高いカスタマイズ性が特徴。
無料プランあり。高評価多数(5.0 / 2,361)。WhatsApp チャットと連携した FAQ で顧客サポートを自動化。
無料プランあり。SEOフレンドリーなFAQページや 12+ テンプレートを提供。
無料。Omnichannelサポートで FAQ + チャット機能を強化。多言語対応。
無料プランあり、5.0 (438件)。FAQ+商品FAQ で顧客サポートを軽減。
無料プランあり。24時間サポートが評価され、高いカスタマイズ性を持つ FAQ ツール。
無料。FAQをAIで生成し、ドラッグ&ドロップで自由に配置可能。
無料インストール。AIアシスタントが顧客の質問に自動応答するFAQチャット。
無料インストールあり。FAQページから製品タブ、ライブチャット、ヘルプデスクまで一体化した多機能アプリ。
無料プランあり。GPT-4搭載AIが顧客サポートを自動化し、複数SNSとの連携も可能。
無料。シンプルで使いやすい FAQ。WhatsApp や Facebook Messenger との連携チャットも可能。
無料プランあり。商品ページやどこにでもFAQを設置でき、SEO向上にも貢献。
無料。折りたたみ形式(アコーディオン)でシンプルにFAQを導入可能。
無料。豊富なカスタマイズ機能で見た目を整えやすい FAQ アプリ。
無料プランあり。AIとLive Chatで知識ベースを拡張し、即時回答を提供。
無料。FAQを含む多数のセクションをテーマエディタに追加可能。
無料プランあり。簡易編集で FAQ を素早く導入。商品別表示も可。
無料プランあり。チャット型のUIでFAQ、注文追跡、問い合わせ、SNS共有に対応。
月額$5。アコーディオン形式をあらゆるページに導入し、視覚的に美しいFAQを実現。
下記は一部アプリの主要な有料プラン例をピックアップしました。ご参考ください。
料金や機能が頻繁に変わる場合がありますので、導入前には各アプリの最新情報を必ずご確認ください。
アプリによっては日本語でのサポートや管理画面に対応しているものがあります。日本語化されていない場合、操作がわかりにくかったり、サポートへの問い合わせが難しいこともあるため、慎重に選ぶと良いでしょう。以下に日本語対応の有無の例を挙げます。
日本語サポートあり・日本語管理画面あり
日本語サポート非対応・管理画面は英語
インストール前に、アプリ紹介ページで「サポート対応言語」やユーザーレビューを確認すると安心です。
Shopify のセクションやブロックを利用した FAQ セクションを、簡易的に Liquid で実装するサンプルを紹介します。以下のコードを「faq-section.liquid」として作成し、テーマエディタからセクションを追加することで、シンプルな折りたたみ(アコーディオン)形式の FAQ セクションを実装できます。
<!-- faq-section.liquid -->
<div class="custom-faq-section">
<h2>{{ section.settings.faq_title }}</h2>
{% for faq_item in section.blocks %}
<div class="faq-item">
<button class="faq-question" onclick="toggleFAQ(this)">
{{ faq_item.settings.question }}
</button>
<div class="faq-answer" style="display:none;">
{{ faq_item.settings.answer }}
</div>
</div>
{% endfor %}
</div>
<style>
.custom-faq-section {
margin: 20px 0;
}
.faq-item {
margin-bottom: 10px;
}
.faq-question {
width: 100%;
text-align: left;
background-color: #f5f5f5;
padding: 10px;
cursor: pointer;
border: none;
font-size: 16px;
}
.faq-answer {
padding: 10px;
background-color: #fff;
border: 1px solid #ddd;
}
</style>
<script>
function toggleFAQ(element){
var answer = element.nextElementSibling;
answer.style.display = answer.style.display === 'none' ? 'block' : 'none';
}
</script>
{% schema %}
{
"name": "FAQ Section",
"settings": [
{
"id": "faq_title",
"type": "text",
"label": "FAQ セクションのタイトル",
"default": "よくある質問"
}
],
"blocks": [
{
"type": "faq_item",
"name": "FAQ アイテム",
"settings": [
{
"id": "question",
"type": "text",
"label": "質問"
},
{
"id": "answer",
"type": "richtext",
"label": "回答"
}
]
}
],
"max_blocks": 30,
"presets": [
{
"name": "FAQ",
"category": "FAQ"
}
]
}
{% endschema %}
上記はあくまでも Shopify デフォルトの機能を使ったサンプルであり、カスタマイズの自由度は高くありません。より高度な機能やデザインを求める場合は、今回ご紹介した専用の FAQ アプリを活用するのがスピード面でも大きなメリットとなります。
どのアプリも、比較的ノーコードでインストールが可能ですが、管理画面が英語のみの場合は導入・設計に時間がかかることがあります。日本語でのサポート体制があるアプリを選ぶか、もしくは英語操作でも問題ない場合は海外製アプリに挑戦してみるのもおすすめです。
特にシンプルな操作性を重視するなら「シンプル Q&A|どこでも FAQ」や「よくある質問どこでも挿入|リテリア FAQ」のような日本語で完結できるアプリが導入しやすいでしょう。一方で、多彩なチャット機能や自動応答ボットまで含めた総合的なサポート体制を求めるなら「Willdesk」や「SB: Help Center, FAQ Page Tabs」なども検討すると良いです。
今回は、Shopify ストアに FAQ(よくある質問)を導入する際に役立つアプリを 20 個ピックアップしてご紹介しました。
FAQ を整備することで、顧客の疑問を解消しやすくなり、サポートチームの負荷を軽減するだけでなく、ストア全体のコンバージョン率にも良い影響が期待できます。
アプリ選びに悩んだ際には、ぜひこの記事を参考にしてみてください。最適なアプリを導入して、ストアの顧客体験向上と売上アップを目指しましょう。
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。FAQ機能をうまく活用して、顧客体験の向上とサポート業務効率化を実現してみてください。今後の運営にぜひお役立てください。